2015/08/16 | Tweet |
2015.08.14
LEG6 Phrae to Chiang Mai
LEG5では表彰を受けることができたため、チームクルー全員で乾杯をして、いつもよりもゆっくりと休むことができラリーの最終日に向けて良いリフレッシュとなった。8月14日、約1週間におよんだAXCR2015もいよいよ今日でフィナーレを迎える。2日間過ごしたプレーのホテルからスタート地のチェンマイに戻り、6日前にあがったポディウムでゴールするのだ。
最後のSS6は45.18㎞と6日間の中で一番短いSSとなるが油断は禁物だ。コマ図を見るとミスコースをしそうなポイントがいくつかあるし、コースの状況も行ってみないと分からない。もっと言うと例えSSをフィニッシュできたとしてもリエゾンで予測不能な事態(たとえばマシントラブルなど)が起きてゴールできなかったら、順位はガラリと入れ替わってしまう。最後まで何が起きるか分からないのがAXCRだ。
そんな緊張感を胸にTEAM JAOSにとって、そしてすべてのエントラントにとって最後のAXCR2015が始まった。通常なら前日のLEGの順位が翌日のスタート順となるのだが、最終日のLEG6はオーバーオールでの順位でスタートするためTEAM JAOSは8番手でのスタートだ。サービスチームは最後のSSのゴールに立ち会うためにFJクルーザーより先にプレーのホテルを出てSSのゴールに向かった。林道の終わり(村の入り口)のようなSSのゴール地点には沢山のメディアクルーがゴールの瞬間をとらえるために、いつラリーカーが到着してもいいようにスタンバイしている。我々サービスチームもその中で、FJクルーザーの無事を祈りながら待った。
1番最初に姿を現したのは、毎回好タイムを叩き出す出す#101 Nuttapon選手(THA)のドライブする白いD-Maxだ。続いて総合2位の#110 篠塚選手(JPN)がドライブするオレンジのジムニーだ。続々と到着するラリーカーを見て、順位が大きく入れ替わっていないことにホッとしていると8番目にFJクルーザーが登場。チームクルー全員でSSのゴールを味わうことができた。しかし、塙選手によるとゴール直前のルートが分かりにくかったとのことだった。また、天井までびっしりと泥だらけになったFJクルーザーを見ても、今日のコースが優しくはなったということは容易に想像ができる。SS後の163.8㎞の長いリエゾンも無事に走り切り、チェンマイのポディウムで大勢の観衆が見守る中無事にフィニッシュした。TEAM JAOSはクラス(T1G)2位、総合8位という好成績を獲得。こうして20周年大会のAXCR2015は幕を閉じた。
TEAM JAOSのFJクルーザーは、過酷なステージを走り抜いたことによるボディへのダメージはあるが、サスペンション、駆動系、エンジン、タイヤ&ホイールはノートラブル、ノーメンテナンスで完走。大きなトラブルは一切なく、FJクルーザーというクルマはもちろん、各パーツ(市販のJAOS、BATTLEZ商品及び、スポンサー様の各商品)のポテンシャルの高さを実践の中で体感・証明することができた。
長いと思っていたAXCR2015もゴールを迎えて振り返ってみるとあっという間だ。この一週間でタイの気候や風土にも慣れ、共に苦難を乗り越えたエントラントや主催者との絆も深まったせいか、少し物足りなさを感じるくらいだ。きっと多くのエントラントがこうしてラリーの閉幕と同時に1年後の再会を約束して次のエントリーを決意するのだろう。そんな想いを胸に来年の夏まで1年を過ごす。これこそがアジアクロスカントリーラリーの魅力なのかもしれない。
Driver's Voice 塙選手
ミスコースによるタイムロスやオルタネーターのトラブルなど色々ありましたが、とても楽しかったです。
AXCRは色々なオフロードレースの難しさや大変さ、そして楽しみ。色々な要素が詰まった闇鍋のようなラリーです。コースはマッドからダート、クリークや畑道までありとあらゆるステージが盛り込まれているし、実際に走ってみないと本当に何があるかわからない。そしてとっても気分良く走れる日もあります。また、アジアの国ならではの日本人が違和感なく溶け込めるアットホームな雰囲気が良いですね。
ただ単に速く走れば勝てる訳でもなく、クルマが良ければ勝てるかと言われればそうではない。ドライバーとナビ、クルマが三位一体となってバランスをとってシンクロすれば、アマチュアでも上位に行けるチャンスがあり、それも大きな魅力だと思います。
今回のTEAM JAOSの参戦の目的の一つとなっているのが市販予定のショックアブソーバーのテストということですが、全く問題なくAXCRのような過酷なラリーにも十分に使用できるショックです。一般ユーザー向けにストリート寄りにセッティングされているため、逆にラリー中も乗り心地が良く、ラクに走ることができました。リエゾンの一般道もとても快適です。コイルスプリングもヘタることなく、車高も変わらずとても良いサスペンションだと思います。
TEAM JAOSとして初参戦の今回、大切なクルマを壊さず、クラス2位でゴールできて良かったです。
Co-Driver's Voice 赤星選手
塙選手がおっしゃるように特に今回は20周年記念大会ということで、例年になく色々な要素が詰め込まれたAXCRの集大成のような大会だったんじゃないかと、周りのエントラントとも話していました。
私としては約10年振りに参戦してコマ図を読みましたが、塙選手はドライビングがとても上手で、そしてすごく速い。コマ図とトリップ、そして景色を合わせるのに苦労する場面もありましたが、中盤からは息が合ってきて無事にゴールまで辿り着くことができました。結果としてクラス2位、総合8位という良い成績を納めることができたので少しホッとしています。
今回は以前から懇意にしていた塙選手とのちょっとしたやりとりがキッカケで話がもちあがり、弊社の創立30周年記念、そして市販予定のサスペンションのテスト及びプロモーションも兼ねて参戦を決意しました。自社のデモカーをベースにオリジナル商品をなるべく残したまま、必要な安全装備と補強を施したノーマル同然の車両で無事にゴールできたこと。そして市販予定のリザーバータンク付ショックアブソーバー「BATTLEZ × DP tyep VF-R」やコイルサスペンション「 BATTLEZ × COIL type Ti-W」はもちろんのこと、エンジン、駆動系、タイヤ、ホイール「VICTRON TRIBE」共にノートラブルであり、自らAXCR2015 という場でその性能を体感・実証することができた事を嬉しく思います。この経験やデータを今後の商品開発等ににフィードバックしていきます。
ASIA CROSS COUNTRY RALLY 2015
TEAM JAOS
T1Gクラス 2位・総合(AUTO) 8位
無事にチームクルー全員でゴールにたどり着くことができたのは、
多くのスポンサー様、関係者様そしてサポーター様からのご協力のお陰でございます。
略儀ながらチーム一同この場を借りて厚く御礼申し上げます。