2015/05/08 | Tweet |
ロールケージとアンダーガードの製作からスタート
FJクルーザーを塙選手のファクトリーに入庫し、いよいよラリーマシン化への作業が始まった。JAOS本社から塙選手のファクトリーまではクルマでおよそ2時間。もちろん定期的に会って打ち合わせを行うのだが、普段はメールや電話、FAXでのやりとりがメインだ。塙選手はFJクルーザーのモディファイプランを決めたあと、すぐに内装をすべて外し、ロールバーの製作にとりかかった。次々と進められる作業の様子は写真とともにメールで送られてくるのだが、とある日1枚のファックスが届いた。それは手書きでキレイに書かれたFJクルーザーのアンダーガード(フロントガードとATガード)の製作指示書だ。前回のキックオフミーティングで打ち合わせ済みの案件で、塙選手がロールケージの製作を行っている間にJAOSでアンダーガードを製作し、次回のミーティング時に持ち込むことになっていたのだ。
オフロードレースに必要不可欠な重要パーツ
ラリーレイドの特長のひとつとして「知らない道を走る」という事が挙げられる。ルートブックを頼りにぶっつけ本番で走るのだから、事前にコースを試走することも事実上不可能。これがラリーレイドの醍醐味でもあり、難しい部分でもある。例えばコーナーの先には、落石などの障害物があるかもしれないし、想像を超えた凹凸があるかもしれない・・・ 過酷な路面状況に加え、何があるか分からないという環境の中でマシンのダメージを最小限に抑える役目を果たす重要なパーツがガード類だ。
JAOSでは社内にレーザー加工機やプレスブレーキを設備していて、市販用のオリジナル商品のほかに、各ラリーチームのマシンのアンダーガード製作等を長年行っている。したがって、この手のパーツのワンオフ製作は得意分野。当然今回のFJクルーザーのガード類も塙選手からの指示書を元にJAOSで製作の作業を担当することになった。
JAOSスタッフの手でフロントガードとATガードを製作
今回、フロントガードとATガードに使用する素材はどちらも4㎜厚のジュラルミン。他チームのアンダーガードを造るときに使用してきたものと同じで、幾度ものレースでマシンを守ってきた実績があるものだ。まずは、塙選手から送られてきた指示書を元に、CADにて2Dの図面データを作成し、レーザー加工機に送り、材料をカット。余談だが、このレーザー加工機は2013年に最新鋭の機械に入れ替えを行い、作業時間の短縮や効率化を実現した。プレスブレーキを使用して曲げていくのだが、細かな角度の調整はスタッフの経験と培われてきた“感”が頼りだ。とはいえ、複雑な形状ではなかったため、あっという間に2つのガードが完成した。次回のミーティング時にフィッティングを行うのが楽しみだ。