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AXCR 2016 DAILY REPORT
【DRIVER'S COLUMN 】日本では販売されていないハイラックスREVO
2016/05/08

DRIVER'S COLUMN  ドライバーズコラム

 こんにちは。ドライバーの能戸です。

 今回からドライバー&マシン製作担当として私なりの視点でマシンの製作状況やチームの最新状況等をお話していきたいと思います。このような原稿を書くのは不慣れなので、読みにくい部分もあるかと思いますがお付き合いいただければと思います。

 今日は、今年一番の注目ポイントとなるであろうエントリーカーのハイラックス REVOについてお話したいと思います。何度かご紹介している通りハイラックス REVOは日本では正規販売されていないトヨタのピックアップトラックです。これをタイから輸入しました。

※車両の詳しいご説明はエントリーカーページをご覧ください。

 JAOSの海外市場へのPRとサスペンションテストを目的としてエントリーカーにハイラックス REVOを選んだのですが、私のこのクルマの第一印象は“高級車”です。ドアを開け閉めしてみた時の剛性の高さ。室内の高級感。なんとシートは本革製の電動シートです!(笑) ※グレードによって異なります
 またバックカメラも装備されていてとても安心です。通常、こういった電装品は取り外すのですが今回はこのバックカメラをあえて残してみようと考えています。私にとっては初の試みとなりますが、ラリー本番中はとても狭い木々の間を走破しなければならないため、切り返しでバックもしなければなりません。ラリーには似合わないバックカメラが意外と良いアイテムになるかも・・・!? なんてことを考えています。

 次に試乗したフィーリングをお話したいと思います。4気筒インタークーラーターボディーゼルエンジン+6速MTということで最初は不安もありましたが、イイ意味で裏切られました!(笑)トルクフルでミッションの繋がりも問題無し! 前後の重量バランスがとても良く、フロントの軽快さがとにかく好印象でした。路面の跳ね上げ等でも重さを感じず、スルスル路面を抜けていきます。ボディ剛性がとにかく高く、凸凹路面を走行してもキシミ音ひとつせずにクリアしていきます。これらはラリーにおいてもアドバンテージになると考えています。クロスカントリーラリーの場合、WRCをはじめとする通常のラリーのようなレッキ(下見)がなく、有視界走行となります。つまり初めて走る道を全開で走らなければならず、思わぬ落とし穴が幾度となく現れるのです。そんなハッとする瞬間でも、このクルマのバランスの良さはダメージを受けづらく、上手にクリアしてくれると思います。予測不可能な出来事がとっさに起きることが珍しくないクロスカントリーラリーに出場するには、まずは「安全面」をクリアしなければ出場することすらできません。
 代表的なものを上げるとロールケージの装着です。アジアクロスカントリーラリーはFIA格式なので、ボルトオンでの装着したロールバーは認められておらず、溶接による装着が義務付けられてます。スピード競技ではどのようなアクシデントが発生するかがわからないため、万が一に備えなければなりません。溶接によるロールケージ装着が必要となる、つまり特注で製作しなければならず、JAOSでは製作することは大変難しい部分です。
 そこで特注ロールケージ製作で約40年の実績がある株式会社オクヤマ様に製作を依頼しました。一言にロールケージ製作といっても簡単なものではありません。同社ではパイプの角度、本数、異なるパイプ径やガセット(補強板)を使い分け、限りなくボディに近づける工夫を行い、「視界を妨げないこと」「ドライビングポジション空間を広くすること」など工夫が行われていて、これらは長年レース・ラリー車両を造り続けていたノウハウが生きる部分です。
  ドライバーとして、シートへ乗り込む時の瞬間。シートへ座った時の瞬間。全てがドライビングへ影響します。そのドライビングへの高揚感を与えてくれるのに重要なのがロールケージやシートなどのドライビングに直接関係してくる部分なのです。そんな重要なパートなだけに、オクヤマ様でロールケージを造っていただけるのはとても心強く、そして私自身とても楽しみです。
 今後は細かな仕様の打ち合わせ等で何度か製作現場にお邪魔しながら進行していきますので、その様子をご紹介できればと思っています。

 

 


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