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AXCR 2016 DAILY REPORT
【DRIVER'S COLUMN】AXCR2016がもうすぐ始まります!
2016/08/08

DRIVER'S COLUMN  ドライバーズコラム

 こんにちは。ドライバーの能戸です。
 更新がご無沙汰になってしまいましたが、サボっていたわけではなく、車両組立、車両製作、車両セッティング、イベント車両展示、シッピング…という流れでとても長い時間があっという間に過ぎ去っていました。現在、ラリーカーのハイラックスREVOはタイに向けて船旅中?です。恐らくすでにスタート地点のパタヤへ到着している頃だと思います。

 

過酷なラリーを安心して走るためのフレーム

 前回のDRIVER'S COLUMNではオクヤマ様でのボディ作りの様子をご報告しましたが、じつは、その後も車両製作が続いていました。あの後、ボディと分離させたフレームの製作に着手しました。フレームの主なメニューとしては補強がメインとなります。頑丈なボディに強固なフレーム。この組み合わせがクロスカントリーラリーを走破するには必要不可欠な条件となり、それに合わせてKYB製スペシャルダンパーの取付マウント製作も施工しました。「リヤサスペンションストロークをレギュレーションぎりぎりの300㎜を狙いたい」という私の要望を実現させるために、どうしてもショックストロークをノーマルより延長せざるを得ない状況となってしまったのです。リヤショックマウントを加工しなければならず、アッパーマウントも製作し直しました。同時にリヤアクスルホーシング補強も行いました。これはジャンプ等の衝撃に耐えられずにホーシング自体が曲がってしまうのを防ぐ目的です。その他、リヤの荷台を撤去する際に、ファイバー製のボディパネルを装着するのですが、それを固定するためのマウントを製作。フレームに関してはフレームの破損(クラック)を点検しやすくするためにホワイトペイントを行いました。もしクラックが発生すると、破損した場所が黒く影になるので発見しやすくなるのです。こうしてオクヤマ様での作業を終えました。

 

限られた時間の中での組立作業からセッティングまで

 オクヤマ様での作業を終えた後は、エンジン・ミッション・駆動系・電気配線関係などの組み立てを行います。ここからは、千葉の(専)中央自動車大学校での作業です(分解作業も同校で行いました)。
 ボディとフレームを分解した4学年10名の学生と先生。チーフメカニックの小林様と一致団結して作業をを分担。メニュー化して同時進行で効率的に組み立てていきます。作業の合間には休憩を兼ねて打ち合わせを行い、刻々と変化する車両状況に合わせてメニューを追加。当初の予定より作業に使える日数が少なくなってしまったため、とてもタイトなスケジュールでしたが、全員の努力により無事にエンジンが始動。予定通りに車両が仕上がりました。
 残るはメインのサスペンションセッティングです。KYB田中様の同乗で何十週もダートコースを走り、指示通りにハイラックスREVOを走らせていきます。少し走行して確認したら止まって減衰力調整。この作業を繰り返しです。ただ、驚いたことは調整をする度にラリーカーの動きが大きく変わるのです。こうしてセッティングを煮詰めて私の求めているフィーリングに仕上げていきました。これにはKYBアブソーバーの性能の高さとKYB・田中様への感謝の気持ちでいっぱいです。このような多くの過程を乗り越えて納得のいくラリーカーに仕上がりました。


 このようにしてたくさんの方々のご協力と応援があってここまでくることができました。この場を借りて感謝申し上げます。

 

いよいよアジアクロスカントリーラリー2016本番が始まります

 多くの日々をハイラックスREVOと共にしてきた私ですが、いよいよ一般の皆さまにもお見せできる機会が近づいてきました。
 まずは6月26日に開催された宮城トヨタグループ様主催「MTG4駆祭り」。車両の展示とデモストレーション走行をさせていただきました。また、宮城トヨタ様のご厚意でそのまま翌日も会場でサスペンションテストも行いました。次に7月8~10日群馬トヨタ様主催「群馬パーツショー2016」では会場一番目立つ場所に展示させていただき、群馬県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」とハイラックスREVOの前で記念写真を撮ることができました。 また、ノーマルのハイラックスREVOと2台並べて展示させていただくことができ、とても貴重な機会となりました。
 主催者の両社様にはTEAM JAOSの活動にご支援いただいております。このようなお披露目の場まで用意していただき、とても感謝いたします。


 事前準備のクライマックスとなるのがシッピング(船積み)です。AXCR2016本番の約1ヵ月前に日本から大きなコンテナで車両と荷物をタイに送ります。実際にラリー中に起こるであろうあらゆる状況に備えて(アクシデントも含む)スペアパーツを検討していきます。ただ、今回のハイラックスREVOは現地生産&販売の車両のため、万が一の際には現地で部品を調達することも可能です。そのため、昨年のFJクルーザーほどシビアになる必要はなく(FJクルーザーはタイで販売されていません)昨年と比べて、日本から持ち込むスペアパーツを減らすことができました。じつは、このこともハイラックスREVOをラリーカーに選択した理由の1つです。
 「ラリーは準備8割。本番が2割」と言います。つまり今の時点ですでに8割が完了しているということです。ラリーを成功させるためにはそれほど事前の準備やラリーカー製作が重要になります。無事にシッピングが完了し、ここまでくればホッとひと安心です。
 いよいよラリー本番まで残すところ数日となりました。「ワクワク、ドキドキ・・・」小学校の遠足前日のような気持ちになりながら、体調管理に努め、出発を楽しみにしています。
 ここで終わると余裕に見えてしまうので本音も一言(笑)。実際には不安な気持ちも多々あります。車両製作では、大半が私の管理のもとでこの仕様になりました。果たしてマシンのポテンシャルは結果を出せるものに仕上がっているのか? 壊れないか?いや・・・ 壊さないか?(笑) 足りないスペアパーツはないか? 数回しかハイラックスREVOに乗れなかったので、ドライビングは大丈夫か?など・・・ いろいろな部分で心配があります。ただ、今回のAXCR2016への挑戦は私やチームの経験値アップとハイラックスREVOのデータ取りを行うことが最重要課題となります。自分の与えられた仕事に集中してチームそして会社は勿論、関わっていただいた方々にとって良い結果になるよう最大限の努力をする所存です。 応援、よろしくお願いいたします。

 

株式会社ジャオス 開発部 能戸 知徳


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