2016/08/15 | Tweet |
REPORT レポート
2016.8.15
LEG2 Chanthaburi to Koh kong チャンタブリ―→国境→コッコン
RS:169.7km + SS2:83.67km
滑りやすい路面に苦戦し、アジアクロスカントリーラリーの洗礼を受ける
いきなり“本気”を強いられた初日から一夜明けたLeg2。この日はチャンタブリ―(タイ)から国境を越えてコッコン(カンボジア)に入国する総走行距離約250kmという内容だ。
ホテルからSS2のスタート地点までのリエゾンは内陸に向けて約40km、景色はみるみると変わり山間部へ。頻繁に降るスコールの影響で路面はウェット、そして道路脇には粘土質の赤土が見え、コースコンディションの悪さがスタート前から判断できる。この日は国境越えによる手続きがある(夜間は入国手続きができなくなる)ため、SS2は約80kmと短めに設定されていたが、TEAM JAOSにとって大会中でマシンの損傷が一番激しく、AXCRの洗礼を受けた日となった。
コースは住民が使用する生活道路(未舗装)がメイン。路面はマッドや砂利道、グラストラックが連続していてブレーキにかかる負担は少ないが、スピードを出しにくいステージだ。木々に囲まれた狭い森の中で右フロントを接触。さらにスタックした先行車両をかわす際、マッド路面の上に濡れた草が生い茂るグラストラックで車体が滑って木に接触。しかし、マシンの損傷は走行に支障なく、上位グループとのタイム差も10分以内にとどめて9位でSS2をフィニッシュ。SSゴール後は国境に向けて約130㎞のリエゾンを走行して出入国手続きを済ませた。日本人にとってクルマで国境を通過するというのは貴重な体験だ。
国境直後のホテルでチームメカニックたちが夜のうちにマシンの修復を完了させてAXCR2016中盤戦への準備を整えた。車体サイズと重量があるハイラックス REVOにとっては厳しいステージとなったがこれこそがAXCRらしさ。苦難を乗り越えてゴールを目指すことが醍醐味でもあり快感に変わっていくのである。昨年のAXCRを思い出し、これから待ち受けているであろう数々の難関に期待と不安をもちながらカンボジアでの夜を過ごした。
Driver's Voice 能戸 知徳
ドライバーにとってはとても難しいコースでした。路面の半分が粘土質の赤土。そしてもう半分がグラストラック。どちらも滑りやすく、場所によっては雪道に近いのでは? と思ってしまうほどで、アクセルを踏みたくても踏めないし、コントロールするのが大変でした。なるべくマシンを木々に接触させないようにと注意しながら、何度もヒヤっとする場面を乗り越えていったのですが、SS中盤あたりでグラストラックに変わり、下りのゆるいカーブで膨らんでいってしまい右フロントを接触させてしまいました。ここから乗り方を変えてさらに慎重に運転していたのですが、狭い森の中の90°ターンで先行車両2台がスタックして立ち往生していました。それをかわす際にどうしても車幅ギリギリの滑りやすい場所を走らなければならなくて・・・ 接触するのを覚悟して走るしかなく、右のフロントフェンダーからリアドアにかけて接触してしまいました。とても悔しい思いでいっぱいですが、走行に支障はまったくなく、相変わらずマシンのコンディションも良いです。ナビとのコミュニケーションもバッチリ。まだ2日目が終わったばかりなので、気持ちを切り替えて中盤戦、後半戦を頑張ります!
Co-Driver’s Voice 赤星 大二郎
Service
・基本点検メンテナンス作業
・フロント右ヘッドライト破損のため修復
・フロント右フェンダー&ドアパネル修復
・フロント右サイドミラーロストのため交換。
・フロント右リミットストラップ交換
・フロントブレーキローター&パッド交換、エア抜き
・フロントブレーキキャリパーダストシール交換
・リヤブレーキシュー交換
・トー調整(フロント右アライメント調整)
Provisional Result LEG2
総合(AUTO) 9位
T1Dクラス 7位
Provisional Overall LEG1-2
総合(AUTO) 8位
T1Dクラス 6位
周辺には手つかずの大自然が広がるカンボジア陸の玄関口コッコン
チャンタブリ―から海沿いに南下するとタイ最南東の小さな街、ハートレックがある。国境を越えてクルマで約8Km。2002年に開通したコッコン橋を渡るとコッコンの街に入る。バンコクから陸路でカンボジアを目指す旅行者にとっては定番のルートになっている。周辺にはマングローブの森や離島など、手つかずの大自然が広がっている一方で、近年では水上テント型コテージなどのリゾート開発も進んでいる。カンボジアはタイと違い右側通行になり、通貨はバーツからUSドルとカンボジアリエルになり、国が違うため現地SIMカードの買い替えも必要。国境越えをする場合には注意が必要だ。