最上部へ
AXCR 2016 DAILY REPORT
【REPORT】LEG3 コッコン→シアヌークビル
2016/08/16

REPORT レポート

2016.8.16
LEG3 Koh kong to Sihanoukville コッコン→シアヌークビル
RS:251.2km + SS3:77.4km +SS4:77.23km

 

絶景の往復ルート、カンボジアのハイスピードバトルが始まった

 ラリー中盤戦に突入したLeg3、カンボジアでの第一ステージは約77kmのコースを往復する2つのSSが設定された。つまりSS3で一回走行したルートをSS4で逆走するというものでAXCRでは珍しい。というのもこのルートは最初から予定されていたものではなく、ラリー直前の悪天候が影響して当初使用するはずだったルートが走行不能となったため、このようなルートが設定されたのだ。
 基本的には道幅の広い生活道路を走るハイスピードステージなのだが、そう簡単なものではない。SS3の前半は硬く締まったダートで比較的走りやすいが、後半にいくにつれて路面状況は悪化していき、凹凸の激しい場所や、粘土質の赤土できたマッド路面が現れる。そこには一日に何度も降るスコールの水が流れてできた大きな溝がたくさんあるといった具合だ。スピードを出して突っ込むとマシンに大きな負担がかかることになるが、トップグループの選手たちはハイパワーマシンのアクセルを緩めずに駆け抜ける。そんな中、TEAM JAOSはサスペンションやタイヤの感触を確認しながらマージンをとった速度でていねいに走行することに専念。「コマ図はわかりやすく迷うような場所はありませんでした。スピードを出したくなってしまうコースでしたが、逆にマシンに負担がかかりやすい。そこで、マイペースを意識して試作のサスペンションをテストをしながらSSを楽しみました。このような長距離のオフロードを走れるチャンスは滅多にないですから」とコ・ドライバーの赤星。毎晩ダンパーの点検をするメカニック 田中(KYB)は「ダンパーにとっても過酷でしたが、前後のダンパー温度は適正値内で安定していますし、狙い通りの性能を発揮しています」とデータを見ながら話す。
 予想通り、この日はハイパワーのマシンがタイムを縮め、小排気量車やノーマルに近いマシンほど苦戦を強いられることになった。しかし、これはこれから待ち受けるハイスピードバトルの幕開けにすぎない。後半戦も激しいタイム争いが続くことになるのであった。

 

 

Driver's Voice 能戸 知徳
 生活道路を中心とした幅の広い道がメインでした。SS3の前半は走りやすいドライ路面でしたが、途中からは轍ができるくらいドロドロでした。でも直線が長いことは変わらず、スピードを出して走るコース。きっと上位グループは減速せずにずっと100㎞/hくらいで走っているんじゃないでしょうか。走行中も何度もスコールが降りましたが、きっとあの辺はずっとあんな感じなんだと思います。大量の水が流れた後や轍などでできたであろう、大きな溝のようなものが縦に横にたくさんできていて、そこを比較的速い速度で走るからとにかく足回りへの負担は大きいです。さらに何度もスコールが降るのでずっと集中してましたし、かなり神経を使いました。ブレーキへの負担も心配だったのでなるべく使わないように意識して運転しました。無理して上位グループのペースで走らず、AXCR2016のために開発したダンパーとスプリングのテストを兼ねて走ることにしました。スプリングのほうはテスト不足のためか少しセッティングの改善が必要ですが、ダンパーのほうはとてもいイイ感じです。来年に向けた課題が見えてきましたし、そういう意味ではとても良いステージでした。明日からはSSの距離が短いので、テクニカルなコースになるかもしれないと予想しています。気を引き締めて後半戦も頑張っていきます。

Co-Driver’s Voice 赤星 大二郎

  一部コマ図と地形が合わなかったりと不安になることはありましたが、基本的にはミスコースするような場所はなくナビに関しては難しいことはなかったです。しかし能戸がコメントした通りクルマにはとても負担のかかるコースで、ノーマルに近いクルマにとってはとても厳しかったです。そんな状況なので途中で足回りや駆動系のトラブルが起きてしまったチームあったようです。サスペンションのテストを兼ねて、ていねいに走ることに専念しましたが、他にもいろいろと発見することができました。
 まず、ハイラックス REVOの剛性の高さ。これだけ過酷な路面を走り続けても不安を一切感じません。車両製作時に各部を見て分かっていた部分ではありますが、こうして実戦で使って確認することができました。やはり世界各地でワークホースとして使われているクルマなんだと改めて感じました。また、今回採用したトヨタ紡織製のシートにも助けられています。ピックアップという性格上、昨年のFJクルーザー(前後コイルリジット)と比べて、どうしても乗り心地に関しては劣るのですが、その差を感じさせないほど疲れ知らずでとてもラクです。こうしたことが実戦で確認したりテストできることこそが、私たちがAXCRに参加する目的です。競技とは少し離れた感想となりますが、そういう視点で振り返るととても有意義な一日でした。

Service
・基本点検メンテナンス作業

・リヤドラムブレーキ シュー調整
・フロント左フェンダーライナーがタイヤに干渉していたため調整し。タイラップ止めをボルトナットに変更
・フロントブレーキパッド、フェードしている様子はなかったが念のため交換
・リヤ右ショックガードを修理
・フロントのトーを再調整
・エンジンオイル交換

 

Provisional Result LEG3
総合(AUTO) 11位
T1Dクラス 7位

 

Provisional Overall LEG1-3
総合(AUTO) 10位

T1Dクラス 7位

 

カンボジア屈指のビーチリゾート シアヌークビル             

 コッコンから南東へ約220㎞走ると透き通ったマリンブルーの海と白砂のビーチが続くリゾートの街シアヌークビルに辿りつく。ここはカンボジア屈指のビーチリゾートとして知られ、ダイビングスポットも数多く存在する。リゾートホテルや観光客向けのレストランやバーも豊富で活気にあふれている。また、漁業も有名で豊かな漁場から獲れる魚介類は近隣諸国へも輸出されている。


前の記事2016/08/15

【NEWS】LEG2 リザルト

最近の投稿