2016/08/18 | Tweet |
REPORT レポート
2016.8.18
LEG5 Phnom Penh to Siem Reap プノンペン→シェムリアップ
RS:259.58km + SS7:41.96km + SS8:131.6km
AXCR2016のフィニッシュを目前に控えた緊張感
AXCR2016最終日の前日となるLeg5は、これまで順調に走ってきたTEAM JAOSにとっていつも以上に緊張感をもって挑んだステージとなった。というのも、今日のSS7約42㎞とSS8約131㎞をクリアすれば、翌日に設定されるAXCR2016最後のSS(ショートコース)を残すのみ。今日大きなトラブルが起きたら順位を落とすことはもちろん、もしかしたら完走することもできないかもしれない。逆にいつも通り順調に走ることができれば、順位アップの可能性も大いにありえるからだ。
SS7は前日のLeg5と同様の水田の中に伸びる農道をハイスピードで走るショートステージだ。正確なナビゲートとドライビングが要求されるが、この5日間で完全にシンクロした赤星と能戸は絶妙なコンビネーションで見事にクリアした。対する後半のSS8はドライ路面でアップダウンのないハイスピードステージということは変わらないが、路面の変化が少ないSS7とは打って変わり、轍がカチカチに固まった道、凹凸の連続、穴、池、サンド、じつにバラエティに富んだ内容。ここをハイスピードで走らなければならないのだから、連続した衝撃がボディやシャシー、足回りやタイヤに容赦なくダメージを与えていく。しかし、中盤でリヤタイヤがパンクした程度で大きなトラブルはなくLeg5をフィニッシュすることができた。
リヤのショックアブソーバーの発熱温度もこの日は最高温度を更新、リヤが115℃まで上昇していた(最高温度150℃まで対応)ことからもノーマルに近いハイラックス REVOにとっては、今大会で一番マシンに負担をかけたステージとなったことがわかる。しかし、フロントのナックルを補強している板の一部にクラックが入った程度で、マシン本体にはまったく影響せず、改めてハイラックス REVOの強固な造りを感じることができた。
タイヤ交換作業時に約10分間タイムロスしながらもスタート順位をキープして、暫定順位は一気に総合6位にアップ。うまくいけば入賞(5位まで)の可能性も出てきたのである。
Driver's Voice 能戸 知徳
午前中のSS7はカンボジア特有の直線道路メイン、でこぼこ道の連続でした。スピードを出しやすいコースなのですが、連続して大きな穴があるためサスペンションには大きな負担がかかります。クルマはもちろんですが、私たちにとってもダメージが大きいステージでした。連続した強い振動の影響か、テールランプとジャッキの棒が脱落しロストしてしまいました。午後のSS8は村の中、ワインディング、ハイスピード、舗装路など変化に富んだステージでとても楽しかったです。コ・ドライバーの赤星との息もピッタリと合って、ドライビングに集中できたステージでした。午前中から続いた激しい走行の影響か、リアの右タイヤがパンクをしてしまい交換作業10分のタイムロスをしましたが、SS8を走行する前に設定されたリモートサービスで、ジャッキの棒をロストしたことに気づいたため、代わりの棒を用意していたのが幸いでした。 交換作業は小さい村に停めて現地の方々の声援を受けながら行いました。その後は順調に走ることができました。
Co-Driver’s Voice 赤星 大二郎
カンボジアの首都であるプノンペンを出発。朝の大渋滞を回避するためホテルから郊外までは地元警察誘導でのコンボイスタートとなりました。こうしたイレギュラーな情報は前日の晩に大会HQのサインボードに掲示されることが多く、スタート時刻やSSコース変更等があれば、それらの情報をメンバー全員に伝えるのも私の大事な役割です。SSに関しては激しく揺れる車両の中で両足を突っ張りバケットシートに身体を押さえつけながらナビゲーションするような状況でしたが、ドライバーは両足はアクセル、ブレーキ、クラッチをコントロールしながらのドライビング。態勢の保持が難しく内臓が揺さぶられたのか、SS7終了後に胃薬を飲むほどで、それほど厳しい路面状況でした。多くの村を越えたのですが、村内はルートブックに指示された制限速度での走行し、郊外はハイスピードで走らなければならないとうメリハリのある走りが必要となります。コース状況を先読みできるような読み上げをし、ドライバーへのストレスを最小限にすることを心がけました。
Remote Service
・給油 30L
・外装チェック、クリーニング
・テールランプロスト確認
・ジャッキの棒ロスト確認→代替の棒を装備
Service
・基本点検メンテナンス作業
・右テールランプ取付
・リヤ左側ハブボルトが折れていたため交換
・リヤ右側ハブボルト交換
・ホイールナット交換
・フロントブレーキパッド交換、キャリパーのダストブーツ交換
・フェンダーライナーのリヤ右側、フロント左側がタイヤ干渉のため固定しなおし
・SS8パンクの影響で、サイドブレーキのワイヤーが破損、応急処置
・デフオイル交換
Provisional Result LEG5
総合(AUTO) 6位
T1Dクラス 5位
Provisional Overall LEG1-5
総合(AUTO) 6位
T1Dクラス 5位
アンコール遺跡群の観光拠点シェムリアップ
プノンペンからクルマで約320㎞、トンレサップ湖の北側にある街シェムリアップ。この小さな町がアンコール遺跡群の観光拠点となり世界中から旅行者が訪れている。世界文化遺産のアンコールワットまでは約7㎞とアクセスが良い。アンコール遺跡群観光以外にも、シェムリアップは魚介類の産地としても知られ、トンレサップ湖から獲れる淡水魚など、人々に自然の恵みを与えている。中心部から少し外れると民家や田園広がるのどかな雰囲気となり、深い緑の森林が残されている。