BATTLEZダンパーの種類について…1
2021.05.26
おかげさまでご好評をいただいているBATTLEZサスペンションシリーズですが
やはり要となるのはチタン配合のコイルスプリングとダンパー。
なかでもサスペンションの性格付けに大きな影響を及ぼすダンパーについては
なるべくたくさんのご要望にお応えできるよう対応してきた結果
同一車種でも複数の設定があるなど少々わかりにくくなってしまったことは否めず
お問い合わせも多数いただいております。
そこで
今一度ダンパーの種類についてご説明をさせていただこうと思います。
BATTLEZのダンパーはチャート化すると以下のようになっています
今回はBATTLEZダンパーの中でもバリエーションの多いツインチューブタイプのご説明をいたします。
まずは①ハーモフレック®の有無で「VFシリーズ」か否か…に分かれます。
ハーモフレック®についてはまた別途ご説明をいたしますが
ダンパーメーカーであるKYB株式会社が開発した周波数感応バルブの名称で
同バルブの装備によって主に乗り心地の質感が上がります。
また、たった3つの部品で実現するシンプル&クレバー設計なので
スタンダードなモデルと比較してもそれほどコスト増とはならないのも利点です。
ただし、構造上の理由から小型車用のダンパーに装備しづらいなどの弱点はあります
一部を除き
製品名に「Variable Force (可変力)」を意味する「VF」と銘打っている製品は
前後全てまたは前後どちらかにハーモフレック®を装備しています
→VFS、VFA、VFAS、VFCA
そして次の分岐になるのは②減衰力調整機能の有無
ダンパーに装着されたダイアルやロッドの先端によって減衰力の強弱を任意に設定することができます。
▲調整ダイヤル
▲調整ロッド
減衰力を高く(強く)設定すれば高速域や積載時の安定性を高めることができ
低く(弱く)設定すればソフトな乗り心地を実現することができます。
製品名に「Adjustable (調整、加減)」を意味する「A」または「AJ」と銘打っている製品は
前後全てに減衰力調整機能を装備しています
→AJ、VFA、VFCA
逆に「Single (ひとつ、単独)」を意味する「S」と銘打っている製品は減衰力固定タイプです
→S、VFS
ちなみに…デリカ用にVFASというダンパーを設定していますが
同品はフロントは固定、リヤに減衰調整タイプダンパーを組み合わせた「A」と「S」の混合タイプとなっています。
次の分岐は③フロントの車高調整機能の有無
通常、「車高調」と聞くと好みに合わせて車高を変えられる…というイメージですが
BATTLEZの車高調シリーズは「フロントのみ」としていることからもわかるとおり
前後姿勢の調整をその主要目的としています。
BATTLEZのリフトアップ(ローダウン)セットは
度重なるテスト&エラーの結果を踏まえてベターな車両姿勢を設定していますが
車両の装備による重量増やお好みによって、さらに細かくセッティングを行いたい場合にお選びください。
また、プラドやハイラックスなどの場合
純正形状のVFAは(ダンパーのボディ径の問題により)リヤにのみハーモフレック®を装備していますが
ボディが太い車高調整タイプのVFCAはフロントにもハーモフレック®を装備しています。
製品名に「Coil over (コイルオーバー/車高調ダンパーの形状)」を意味する「C」と銘打っている製品は
フロントに車高調整機能を装備しています
→VFCA
ちなみに…VFCAのセットもリヤはVFAと同じダンパーを使用しています。
イベント会場などでお客様より
「リフトアップをしたいのだが、"スプリングのみ"と"スプリングとダンパーのセット"を比較すればセット装着がいいのはわかっているけど、いっぺんにやらなくてはダメなもの?」
と聞かれることがあります。
その時は
「一度に施工された方がより効果的(作業も一度で済むので経済的でもあり)ですが、ご予算などに応じて最初はスプリング、次はダンパー…と段階を踏んで装着されても都度の変化が楽しめるので良いかもしれませんね」
とお答えしています
ただし、VFCAは車高調専用スプリングとセットなので、段階を踏んで…という方法はとれません。
▲ スプリング、ダンパー共に単独で装着できるデリカD:5用BATTLEZリフトアップセットVFS
▲ セットでの装着が必須なデリカD:5用BATTLEZリフトアップセットVFCA
※VFCAではなくても、一部車両では純正ダンパーがリフトアップスプリングに対応できないため、スプリングのみの装着ができない車両もありますのでご購入の際は製品情報をよくご確認ください。
以上がBATTLEZのメインストリームであるツインチューブダンパーの種類についての説明でした。
適応やアイテム数は少ないながら
その分、プレミアム感のあるモノチューブダンパーについてはまた次の機会にご紹介いたします。
サスペンションの交換は取り付けも含めて高額なカスタマイズではありますが
その分、車両の印象を一変させる効果を持った代表的なカスタマイズ手法でもあります。
ジャオスの誇るBATTLEZサスペンションは
BATTLEZブランド立ち上げ以来ずっとセッティングに携わっているスタッフに
TEAM JAOSのドライバーである能戸知徳を加え
日々の地道な走り込みを重ねながら開発を行っている自信の製品群です。
機会がありましたら是非お試しください。
製品のこと